今踊と魂

空舞台「今踊」が終了して、気が抜けて脱力感を感じ、なかなか元に戻らないというか、「今踊」を目指していた頃の精神状態まで回復しない、という奉納の舞を踊った生徒の声が上がって来ています。

今ダンス界は「スポーツダンス」に支配され、「肉体の祭典」と化しています。

肉体の祭典なら数日経てば肉体疲労は回復して来ますので、元の体調に戻るにはそう大変なことではないのですが、空舞台「今踊」は違います。

英国の昔は「心」と「意志」の踊りが主流でした。

だから競技会を終えると心が高揚し意志が強固さを増し、なかなか寝付けなかったものです。

それが男性と女性の「パワー」を合体させ踊る方向へと舵をきられると、訳の分からない疲労感にさいなまれたものです。

 

空舞台「今踊」の「空舞台」とは舞踏者の「魂」を認識させ中心に据えるものです。

そしてその「魂」は「宇宙の魂」まで行かないと、完璧にDANCEを踊りこなすことは出来ません。

何故なら一人で踊ることと違って、自分とパートナーと観客の全ての魂を一つにする為には、それを全て包含する魂でないと無理だからです。

「空舞台」では「無意識の己の魂」が疲労したのです。

「己の魂」とは「神の分け御魂」ではなく、その「汚れ」の部分です。

「己の汚れ」「パートナーの汚れ」「観客の汚れ」がその不条理性故に疲労してしまったのです。

しかしもし「神の分け御魂」の自覚があって踊ったとしたならば話は違ったはずです。

自分もパートナーも「神の分け御魂」で踊り(何故ならそれが「今踊」ですから)観客の汚れのみが付着したとすれば、話は違ってくることと思います。

 

疲労感や脱力感満載の奉納者の方は、「空舞台」とは「魂を目覚めさせる場所」であったこと、「今踊」とは踊り手一組と観客の持つ「神の分け御魂同士が共鳴し合うもの」であることを今一度自覚してみましょう。

皆さんは「魂の修業の世界」に、もうすでに旅立っているのですから、、、。